まず初めに
今回はオーストラリアの大学・専門学校でのHospitalityコース履修とその先の選択肢についてお話したいと思います。実は、“ホスピタリティー産業が盛んなオーストラリアで勉強をしてみたい!”という日本人の方は長年とても多く実際にオーストラリアの専門学校や大学でホスピタリティに関連するコースを取得される方や現地のホスピタリティ業で働かれる方はとても多くなります。
そんな長年人気のあるコースですが、皆さんホスピタリティコースとは何かご存じでしょうか?なんとなく漠然とホスピタリティを学びたい、そういう方も少なくはないと思います。実はオーストラリアでホスピタリティを学ぶ場合、その中でも様々な特定のジャンルに分かれるんです。一般的にはレストラン、ホテル、航空、イベントなどに分かれるところですが、本日はこれらのホスピタリティに関連するコースとその将来について少しご説明させて頂きます。
オーストラリアでHospitalityを学ぶ理由
高い給料
オーストラリアでは観光およびホテル業界での賃金は世界的に見ても高くなっています。 Indeed の求人検索によると、オーストラリアのホテル マネージャーの平均基本給は、年間約 102,422 ドルでとなっており日本と比べてもかなり高いことがわかります。
高い雇用率
オーストラリアでは、ホスピタリティおよび観光産業が過去 10 年間で活況を呈しており、その結果多くの仕事おいて人手が不足しています。 オーストラリアでのホスピタリティコース卒業生の就職率は、他の専攻の学生よりもはるかに高くなっており、宿泊施設とフードサービスの雇用レベルは、2022 年に 907,300 人であり、2025 年には 971,800 人にまで上昇すると予測されています。
質の高いコース
オーストラリアの観光およびホテルマネジメントコースのほとんどは、学生に理論的なクラストと実践的な業務の組み合わせを提供し、インターンシップ プログラムは半年から 1 年間の範囲です可能となっています。即戦力として雇用が見込めるスキルの取得に大変適したコース内容となっています。
留学生向けのホスピタリティ関連コースと学位
ホスピタリティ コースは、オーストラリア現地の履修レベルにおけるCertificate、Diploma、Bachelor、Masterのすべての学位レベルで履修可能となります。 卒業後にオーストラリアに滞在して働きたい留学生は、英語力と雇用可能性の面で少なくともディプロマレベルのホスピタリティを修了していることが推奨されます。
オーストラリアのホスピタリティ分野においては主に以下のコース履修が可能となります:
エコツーリズム、ケータリング、イベントマネジメント、ホスピタリティマネジメント、ホテルおよびホスピタリティ研究、国際観光、 リゾート経営、レストラン経営、観光経営、ワインツーリズム など
これらの分野の中でも特に日本人留学生の方に人気が高いコースについて今回はご紹介させて頂きます。
Hotel Managementコース
こちらのコースに関しては皆さんご存じの通りホテル業でのマネジメント職としての知識とスキルをつけるためのコースになります。 ただ、ホテル業とひとくくりに言っても業務内容は様々です、主には:
人事・ 事務・ セールス マーケティング・ イベントマネジメント・
レストランマネジメント・ 経理・ ホテルフロント、などなど。
そのためコースについて調べられた方などは気づかれた方もいらっしゃるかもしれませんがホテルの専攻を履修する際はコース名が:
Business in Hotel management
Hotel and Tourism management
Hotel and Event management
International Tourism and Hotel Management
などのようにホテルマネジメント単体のものが極めて少ないんです! つまり、こちらの専攻によってホテル業以外の知識とスキルを身に着けることができるんです。
コースの履修内容としては、ホテルマネジメントやツーリズムに関連する知識やセオリーを学ぶことに加え、より実践的な履修内容として顧客サービスに関する授業も豊富に取り揃えられています。中でも将来役立つものとしては、実際の職場で使われている予約システムの使用方法や、実際にホテルでの実務経験を積むInternship (学校による)などがあげられます。
もちろん、その他の専攻と同じように選択授業などではホテルマネジメント以外に興味のある分野の履修が可能になるため将来の計画に合わせて補助知識やスキルを身に着けることが可能となります。
卒業後の主な進路としては:
ホテルスタッフ、ホテルマネージャー、人事・経理スタッフ
ホテルマネジメント分野におけるおすすめの学校・大学:
Certificate / Diplomaコース: | Bachelor / Materコース: |
Griffith College Southern Cross university (Hotel School) TAFE / William Angliss Torrens University など |
Griffith University, Southern Cross University Bond University Monash university The University of Queensland など
|
Travel / Tourism Management コース
日本語でもよく耳にするツーリズム、こちらは大きくまとめると観光学部になります。日本の大学でも人気の高い学部になるかと思いますが、観光業に力を入れているオーストラリアでも長年、現地の学生・留学生ともに人気のコースとなります。
履修内容としては主に、観光を通じて地域や国の経済を活性化させることを目標とし、そのために何が必要なのか、今後何ができるのかなどについて学びます。観光といってもこちらも内容は様々ですので、履修する大学や専門学校によってより特化した内容が変わってきます。
主な履修内容としては:
旅行業界について、環境、テクノロジー、文化、国際関係、社会問題など
実はかなり幅広い角度で観光業界を見つめていくことが必要となります。 そのため、ただ旅行が好き・観光地の案内がしたいというよりかは今世界で何が起きておりそれがどのように観光業に影響を与えるのか、よりオーストラリアを世界に宣伝していく為には何が必要で何ができるのかを様々な視点で考える学部となります。
卒業後の主な進路としては:
トラベルエージェント、マーケティングスタッフ、空港勤務、セールススタッフ、ツアーガイド・プランナー など
ツーリズムマネジメント分野におけるおすすめの学校・大学:
Certificate / Diplomaコース: | Bachelor / Materコース: |
Southern Cross university (Hotel School) TAFE / William Angliss Torrens University Charles Darwin University Western Sydney University など
|
Griffith University, University of the Sunshine Coast Southern Cross University Bond University Monash university University of South Australia The University of Queensland など
|
Leisure / Event Management コース
こちらは日本ではあまり主流ではないコースになるかもしれませんがオーストラリアではとても人気の高いコースとなります。特にオーストラリアでは世界規模のイベントが年に多数開催されており、有名なものですとテニスの全豪オープン、F1 Australian Grand Prix、サーフィンの国際大会など数多くのイベントが開催されています。 今後の一番注目されるイベントとしては何といっても2032年ブリスベンオリンピックになります!
イベントは常にホスピタリティと密接に関係を持っており、その中でもマネジメントがとても複雑になるためオーストラリアでのイベントマネジメント・オーガナイザーとしての需要は常に高くなります。
こちらのレジャー・イベントマネジメントでは前述のツーリズムコースの履修内容とよく似ており様々な社会的観点からどのようにイベントをプロデュース・マネジメントするかを考えるコースになります。ツーリズムは大枠の話であったのに対してイベントはより具体的にどういったイベント内容かが重要になるので履修内容もより人員・ファイナンス・環境・デザイン・技術などの観点から実践的かつ詳細になることが多くなります。
卒業後の主な進路としては:
イベント運営・管理会社、トラベルエージェント、ブライダル、マーケティングスタッフ、広告会社、スポーツ・エンターテインメント企業 など
イベントマネジメント分野におけるおすすめの学校・大学:
Certificate / Diplomaコース: | Bachelor / Materコース: |
TAFE / William Angliss / Holmesglen Torrens University Charles Darwin University Western Sydney University など
|
Griffith University, University of the Sunshine Coast Southern Cross University James Cook University University of Canberra University of South Australia The University of Queensland など
|
Hospitality Management コース
こちらのコースは上記3コースとは少し変わりより飲食やホテルなどのサービス業に特化した内容が多くなります。ホテルや宿泊業に必要なサービススキルについて学ぶこともありますが、多くの場合では飲食業などでの接客スキル顧客対応スキルとその知識などに学ぶことが多くなります。
飲食業やカフェがとても盛んなオーストラリアでは常に必要な人材となり、ただの接客業スキルというわけではなく、衛生管理、予算管理、健康と安全、コミュニケーションスキルなど、顧客満足度を上げるために何が必要なのかという点にフォーカスした履修内容が多くなります。
他のコースと比べてより実践的なスキルを求められることが多くなるため専門学校で学ぶ方が多くなりますが、大学での履修も可能となりその場合は他の他のトピック(ツーリズムやホテルなど)と合わせてより具体的なサービス需要や必要なビジネススキルについても学びます。
将来の主な進路としては:
レストラン・カフェマネージャー、ホテルマネージャー、リゾート経営、ケータリング事業、コンシェルジュ など
ホスピタリティマネジメント分野におけるおすすめの学校・大学:
Certificate / Diplomaコース: | Bachelor / Materコース: |
TAFE / William Angliss / Holmesglen *オーストラリア全土に多数の専門学校があります。
|
Griffith University, University of Tasmania Southern Cross University James Cook University University of Newcastle University of South Australia The University of Queensland など
|
オーストラリアでのホスピタリティ関連 コースを学ぶための入学要件とは?
前述の通りオーストラリアでは様々な学位レベルでのホスピタリティコース履修が可能となります。主に専門学コースと呼ばれるCertificate やDiplomaそして大学の学位として扱われるBachelorやMasterなどによって入学に必要な条件が変わってきます。
コース履修・入学条件:
Certificate / Diploma コース | Bachelor / Master | |
最終学歴 | 高校卒業もしくは高校2年次相当の学位 *Certificate・Diplomaによって変動します |
高校卒業 相当の学位 (Bachelor).
大学卒業相当の学位(Master) |
英語力 | IELTS5.0 – 5.5相当 その他にPTE, Cambridge, TOEICなども使用可能(学校によって変動します) |
IELTS6.0 – 6.5相当 その他にPTE, Cambridge, TOEICなども使用可能(学校によって変動します) |
その他の条件 | 大学によっては過去のGPAによって入学の可否が決まることがあります。 |
- CertificateやDiplomaコースの場合、通常申請者は 高校卒業相当の学位を修了し、IELTS 5.5 を取得している必要がありますが学校によっては提携しているもしくはその学校で提供している語学コースを履修することで英語力の証明が免除されます。
- 学士(Bachelor)コースの場合、通常申請者は 高校卒業相当の学位保持、IELTS 6.5 を取得している必要があります。 ただし、トレンス大学、キャンベラ大学、ラトローブ大学などの一部の大学では、IELTS 6.0での入学が認められています。また、オーストラリアでディプロマを修了してからBachelorコースに編入する場合(Diploma Pathway)、英語力の証明が必要なくなることが多くなります。
- 修士課程(Master)の場合、通常、申請者は学士号を取得し、IELTS 6.5 を取得している必要があります。また、大学によっては関連した就労歴なども求められます。
ホスピタリティを学ぶための費用は?
ディプロマ コースなど専門学校の場合、学校によりコースの長さや質などが変動するため授業料は AUD10,800 から AUD28,100 の範囲でかなり大幅に変動します。
学士(Bachelor)コースの授業料は、Diplomaコースと比べて平均AUD50,676 から AUD90,000 へと高くなります。 こちらも履修する大学によって学費は大きく異なります。費用は専門学校と比べ高くなりますが、卒業後485 ビザ(卒業ビザ)でオーストラリアに 2 -4年間滞在できるメリットがあります。
修士(Master)コースの授業料は、学士(Bachalor)コースと同様に平均AUD42,000 から AUD86,000 と割高にはなります。 こちらのコースも修了した後、さらに 3 -5年間オーストラリアに滞在できる 485 ビザの申請が可能になるため、トータルで滞在できる期間で換算するとメリットはさらに大きくなります。
予算にや卒業後のプランに応じて必要な学位やおすすめの学校・大学、履修地域は変わってくるところですのでもし今後のプランでご不明点等ございましたら是非お問い合わせ下さい!
ホスピタリティコースでの永住ビザのオプションはあるのか?
ステップ 1: 485 ビザ(卒業ビザ)を申請する
BachelorやMasterなどの学位で 2 年以上勉強することにより、卒業生は 2 ~ 4 年のPost Study Working Visa subclass 485を取得する資格が得られます。卒業生はこれらのビザの機会を利用して、より多くの職業経験を得ることができます。 ホスピタリティ & ツーリズム マネジメントを専攻する一部の学生においては、オーストラリアで資格を取得した後、必要な実務経験を積むことができれば、永住の機会を得ることも可能となります。
ステップ2:永住ビザを申請する
オーストラリアでの永住権につながる可能性のある宿泊業とホスピタリティの職業には、多くのビザオプションがあります。 以下は一般的なオプションです。
190 – Skilled Nominated (サブクラス 190) – 永住ビザですが、このビザを申請するには、オーストラリアの州または準州のいずれかからの指名が必要です。 各州には独自の職業リストと追加の要件がある場合があるため、申請の前に州の資格基準をすべて満たしているかどうかを確認する必要があります。
*ホスピタリティ関連の職種は地域によって含まれないことも多くなります
491 – Skilled Work Regional (provisional) visa (サブクラス 491) – こちらは永住ビザではありませんが、PR (ビザ 191) につながる可能性があります。 このビザを申請するには、推薦されるオーストラリアの特定の地方エリアに求められる最低期間滞在して働くことを確約し、少なくともEOI 65 ポイントを取得している必要があります。また190ビザ同様に特定の地域によって申請できる職種条件は異なります。
*ホスピタリティ関連の職種は地域によって含まれないことも多くなります
494 – Skilled Employer Sponsored Regional (provisional) (サブクラス 494) ―こちらは、就労者を後援してくれる特定の地方地域の雇用主がいる場合に適用されます。 宿泊施設およびホスピタリティ マネージャーとして少なくとも 3 年間勤務し、関連するスキル アセスメントを取得している必要があります。
482 – Temporary Skilled Shortage (サブクラス 482) Shortストリーム – オーストラリアに最大 4 年間滞在して働くことができます。 このビザを申請するには、スポンサーになってくれる雇用主が必要です。現状ホスピタリティ関連職でのスポンサービザ申請は可能になりますがそこからの永住権取得は特定の地域を除き難しくなります。
よくある質問
ホスピタリティーコースで永住権は取れますか?
答えとしては、可能になります。ホスピタリティの場合は、少なくともホスピタリティのディプロマ コースを修了し、卒業後に少なくとも 1 年間の実務経験を積んでいる場合、オーストラリアで PR (ビザ 190、491、および 494) を取得できる可能性があります。就労歴を作るために 卒業後も(485 ビザで)さらに滞在できるようにするためには大学レベル以上での履修を2年上する必要がありますので要注意です。
なぜ地方エリアで履修したほうがいいのですか?
オーストラリアの地方でコース全体 (フルタイムの基本で少なくとも 2 年間) を学習する場合、PR 申請に 5 ポイントが与えられます。
卒業ビザ – サブクラス 485 の場合、現在地方で勉強すると、従来の卒業ビザに追加してオーストラリアに 1 ~ 2 年間滞在することができます。
1.学士号取得者の通常の 485 ビザの有効期間は 2 年間です。 ただし、地域のカテゴリ 1 (例: Gold Coast、Sunshine Coast) で学士号を取得した場合は最大 3 年間、地域カテゴリ 2 (Toowoomba、Gattonなど)で学士号を取得した場合は最大 4 年間、オーストラリアに滞在して働くことができます。
2.修士号取得者の通常の 485 ビザの有効期間は 3 年です。 ただし、リージョナル・カテゴリー1のコース修了後は最長4年間、リージョナル・エリア・カテゴリー2の大学卒業後は最長5年間、オーストラリアに滞在することができます。
オーストラリアのホスピタリティ業界で働くためにはどの様な資格を取る必要がありますか?
アルコール、食品を販売する場所、またはゲーム機がある場所で働く場合は、Responsible Service of Alcohol, Food Safety (RSA)またはResponsible Service of Gambling(RSG)を取得する必要があります。 これらの証明書を取得することは難しくはなく、オンラインで学習して完了することができます。
ホスピタリティとツーリズムは別の分野ですか?
ホスピタリティとツーリズム(観光)は、互いに非常に関連する 2 つの産業です。 これらの主な違いは、ホスピタリティは顧客に旅行、宿泊施設、食事、エンターテイメントのサービスと体験を提供することを目的としていますが、ツーリズムの目的は場所のセールスポイントを宣伝してできるだけ多くの人々を引き付けることです。 そのため、この業界で働きながら主に観光イベントやアクティビティに携わることになるため、就職先などは若干異なるところです。
ホスピタリティコースを卒業しました。どの職種で働くことができますか?
ホスピタリティ業界は包括的な用語であり、多くの中小企業セクターがこの業界に含まれています。 いくつかの例は次のとおりです。
宿泊施設(ホテル、モーテル、バックパッカーなど)
飲食店(レストラン、バー、パブ、カフェなど)
旅行と輸送 (例: 飛行機、鉄道、自動車、バス)
会議およびイベント (会議、展示会、会議など)
レジャー (例: バー、クラブ、映画館、スパ、フィットネス、ウェルネスなど)
カジノ