まず初めに
オーストラリアの調理コースは、学生が将来的にホスピタリティー業でのビジネスオーナーもしくは一流のシェフとして働くために不可欠な知識とスキルを提供します。 調理コースは主に調理スキルと顧客対応を含むサービススキルの向上を目指します。 卒業後の道としては、 Chef, Cook, Pastry Chef, Sous Chef, Head Chef, Chef de Partie, Restaurant manager, Bar manager, Café manager, Hospitality business ownerなど、さまざまな職種・ポジションで働くことが可能となります。
オーストラリアで調理コースを学ぶ理由
オーストラリアではレストラン、カフェ、バーなどのホスピタリティー業の水準が高く、それに伴う調理学校の高い専門性と多様性から調理コースを学ぶ留学生の数は依然として多くなっています。オーストラリアの国としての多文化性によりオーストラリアは料理の多様性でも有名です。その点からもオーストラリアはプロとしてのの料理と料理芸術を学ぶ国として世界でも 2 番目に好まれる国とされています。
ほとんどの学校は年間に多くの入学日を設定しているため、自分の状況に最も適した時期にコース履修を開始することができます。また、こちらのコースでは非常に基本的な調理スキルや座学から学ぶことができるため、実践の場での経歴が少ないまたは全くない方であっても一からこちらのコースを学習することができます。
コースの卒業後は希望の仕事に就ける可能性が高く、その上オーストラリアに長く滞在する(移住・永住を含む)オプションが含まれていることも魅力の一つとなります。オーストラリアでは今後 5 年間で調理コースの卒業生に約 81,000 の求人が発生する可能性があると予測されています。また、調理コースで 2 年以上勉強することにより、留学生は履修完了後に就労ビザ (例: Visa 485 – Graduate Work Stream, 485 – Post Study Work Stream)の申請をすることができ、Full-timeとしても働くことができます。そして就労ビザのほかにも将来的にはオーストラリアでシェフとして一時就労ビザや永住権(ビザ189、190、482、186、491、191)の取得を試みることができます。
オーストラリアでのコース履修はヨーロッパ諸国での勉強とは異なり、オーストラリアの留学生は通常隔週で 40 時間まで働くことが許可されています。しかし、現在は深刻な人手不足のため学生ビザ保持者の勤務時間は一時的に緩和されています。こちらは2023 年 6 月まで適応がされており勉強しながら働くことでより実践的な経験を積むことができ、生活費や学費を賄うためにも最適となります。。
留学生向けの調理コースにはどのようなものがあるのか?
Certificate III in Commercial Cookery
調理師として必要な知識と技術を身につけます。このコースでは調理の安全性と品質を維持するためのスキルを習得し、キッチンで効率的に作業する方法を指導します。このコースの期間は、学校やカリキュラムによって異なりますが、通常コース完了するまでに約 40 週間の履修が平均となっています。
Certificate III in Patisserie
パティシエとして働くための初心者レベルのスキルを学びたい場合は、こちらのコースから履修となります。ケーキやデザート類を実際に作成する全工程を学べるコースとなっています。 Cert III in Commercial Cookery と同様に、このコースを完了するには 約40週間から1 年間の履修が必要となります。
Certificate IV in Commercial Cookery / Kitchen Management
このコースではシェフとして様々なジャンル(サラダ、ストック、前菜、スープ、肉、魚介類からパン、ペストリー、ケーキまで)における幅広い料理を準備・調理するためのコースとなります。調理の実践トレーニングに加えて、キッチンを管理するための監督スキルを学ぶ授業が提供されます。こちらは”食料と労働のコストを見積もるスキル”、”食料品を注文するスキル”、”調理作業を調整するスキル”などが含まれます。このコースを修了することによって、オーストラリアで料理人(シェフ)になる資格を得ることができます。
Certificate IV in Patisserie
Cert IV in Patisserie は、CertificateIIIの調理過程の内容に加えてレストラン、パティスリー、ケータリング会社、ホテル、パブ、カフェ、コーヒー ショップなど、パティスリー製品を準備および提供するさまざまな場所で働くための道筋を提供します。
Diploma of Hospitality Management (Commercial Cookery Stream)
このコースはCertificate III または Certificate IV in Commercial Cookery を修了した学生、もしくはすでにホスピタリティー業界での経歴がありさらなるマネジメントスキルの向上を目指されている方に最適です。こちらのコースでは、予算編成、マーケティング、名簿作成、および人的管理で構成される管理知識とスキルのリスト作成などの内容をカバーしています。こちらのコースを修了すると、head chef, chef de cuisine, chef pâtissier, sous chef, restaurant manager, bar manager, kitchen manager, unit manager catering operationsなどの職で働けるようになる他、ホスピタリティに関連するその他の仕事 (クラブ マネージャー、モーテル マネージャー、フロント オフィス マネージャー)などでも就職が可能となります。
Advanced Diploma of Hospitality Management
このコースでは、Diplomaコースの履修内容の延長上としてホスピタリティ業務を調整するための幅広いスキルと組み合わせた専門的な管理知識の履修内容を提供します。こちらのコースを修了すると、ビジネスの経営戦略などを担当するシニア マネージャーになることができます。つまり、このコースを学ぶことで、飲食業においてはhead chef, executive chef, executive sous chef, operation manager, café owner or managerなどになることができます。
留学生が調理コースへ入学するための条件は何か?
調理コースの入学条件として、
Certificate III および Certificate IV の場合まず必要なのは最終学歴の証明として Year10-11 (高校1-2年次相当)または同等のコースを修了している証明となります
DiplomaおよびAdvanced Diplomaについては、Year12(高校卒業)または同等の課程を修了している必要があります。
また留学生の場合、学歴証明のほかに英語力を証明する必要があります。 ほとんどの学校では、IELTS の総合スコアが 5.5 で、サブバンドが 5.0 以上であることが求められます(その他の英語技能試験でも可)。 必要な英語のスコアをお持ちでない場合は、学校が提供している語学コースか提携先の語学学校で指定のコースを履修することでPathwayとして英語力の証明が免除されます。
オーストラリアでの調理コース費用
授業料やその他の教材費などは、各学校と履修するコースによって異なります。一般的にCertificate III とCertificate IV in Commercial Cookery コースの費用は、$10,000 から $20,000 となっています。
Diploma およびAdvance Diplomaコースの費用は、上記の費用と同様になります。ただし複数のコースを組み合わせたパッケージプログラムでの申し込みの場合(一般的なパッケージの 1 つは、Certificate III + IV + Diploma)は重複している履修内容があるためトータルの履修期間が短くなり学費も割安となります
また、上記のパッケージ以外にも組み合わせ可能なパッケージは多くあり学校毎にプロモーション価格なども多数提供があるため、詳細は是非SOL留学までお問い合わせください。
調理コース履修可能な学校 2024年-2025年オススメ!
オーストラリア留学で一番選ばれるのはやはり知名度からシドニーになりますが、その他にもブリスベン、メルボルン、パース、アデレードなどは、この業界における有名な企業、教育機関、専門校が‘多く存在し、シェフや料理の専門家としての履修や仕事をするのにとても魅力的な渡航先でもあります。以下は、調理コースを提供している学校の参考例となります。
学校 | NIET (Charlton Brown) |
コース名 | -Certificate III in Commercial Cookery
-Certificate IV in Kitchen Management -Diploma of Hospitality Management [Package Only] |
キャンパス | ブリスベン、ホバート(タスマニア) |
期間 | 104 weeks |
授業料 | $19,000 (2024年以内のお申込み) |
入学基準 | IELTS 5.0 |
入学時期 | 毎月第一月曜日 |
オーストラリアでシェフになるためには?
留学生が調理コースを履修完了し実習過程を終了した段階から資格のあるシェフになるまでの推定期間は 3 年とされています。資格のあるシェフになるための 3 つの具体的なステップについては以下の通りです。
ステップ1:調理コースの履修
Certificate III, IV in Cookery は、料理やキッチンでの作業に不可欠な知識とスキルを提供します。ただし、料理人としての資格が取得できるのはこのコースを修了してからとなります。資格を持ったシェフになりたい場合は、ディプロマおよび/またはアドバンスディプロマのホスピタリティコース卒業が必要になります。
ステップ 2: 1 年間の実務経験を積む
コースを修了した後、シェフ向けに設計されたSkill Assessmentをパスするためには、調理の現場で少なくとも 1 年間働く必要があります。
ステップ 3: スキル査定(Skill Assessment)に合格する
Trade Recognition Australia (TRA) によるFull Skill Assessment に合格すると、シェフとしての資格が与えられます。
オーストラリアでシェフとしてSkill Assessmentをパスするには?
Skill Assessmentに合格するには、次の 4 つの査定ステップがあります。
ステップ1 – Provisional Skill Assessment (PSA)
考慮事項:
1.Commonwealth Register of Institutions and Courses for Overseas Students (CRICOS) によって認定された職業に直接関連する履修(Certificate IV)を完了している。
2.このステップでの申請料金は 200 ドルです。
3.2022 年 7 月 15 日から: JRPRE は、卒業ビザ (サブクラス 485) のポストスタディ ワーク ストリームを申請するための資格としては必要なくなっていましたが、現状(2024年1月時点)は卒業ビザの申請に際してこちらのPSAの申請が必須となります。
また、将来的にスキルビザ (サブクラス 190、189、491) または雇用者スポンサー ビザ (サブクラス 482 Direct Entry Stream、494) を申請する場合は、Skill Assessmentの完了が必要条件となります。
ステップ 2 – Job Ready Employment (JRE)
考慮事項:
1.こちらのステップ(JRE)の開始日から最低12か月間、少なくとも1725時間の有給雇用を完了する
2.Trades Recognition Australia によって承認された適切な雇用先を見つける
3.JRE の開始日から 6 か月後、またはステップ 3へ の移行資格があると見なされた時点で、スキル進捗レポート (指定の職業でスキルを向上するために職場で行った活動の自己評価記録) を完了している詳細については以下を参照)
4.Job Ready Employmentの査定料は450ドルです。
ステップ 3 – Job Ready Workplace Assessment (JRWA)
考慮事項:
1.JREの開始日から最低6か月間少なくとも863時間の有給雇用の証拠を提出
2.Skills Progress Report (SPR)、Employment Verification Report (EVR)、および申請している職にに対して適した基準で職務実行していることを証明必要な証拠を提供。
3.雇用主から EVR に署名してもらい、職場で実施される査定に同意することを確認してもらいます
4.こちらのステップでは査定料として $2540 を支払う必要があります。
ステップ 4 – Job Ready Final Assessment (JRFA)
考慮事項:
1.Job Ready Workplace Assessment (JRWA) の結果が出ている
2.Job Ready Employment (JRE) の雇用要件を満たしており、JRE の開始日から最低 12 か月間少なくとも 1725 時間の有給雇用の証拠を提出している
3.Job Ready 最終ステップの料金は 65 ドルです。
オーストラリアでシェフとしての収入
晴れてシェフとして就労開始した後気になるのは収入面。 オーストラリアでのシェフとしての給与は経験と職場での地位(シェフの種類やポジション)によって大きく異なります。 Payscale によると、キッチン シェフの年収は $36,916から $57,885、スー シェフは $42,638 から $64,184 です。そしてこの職種における最高値としては、年間最大$108,804を得ることができるExecutive Chefとなっています。
シェフとしての永住権取得への道のり
Skill Assessmentに合格し資格のあるシェフになると、将来的にビザ 189、190、482、491、および 186 を含む一連の就労・永住ビザを申請する資格を得られます。 シェフとして永住権を目指す方法については別の記事で詳しく解説しておりますのでこちらをご覧ください。
FAQ
授業中の服装について
よくある質問にはなりますが、コース履修中の服装としましては、偶発的なアクシデントやや食品などのこぼれから身を守るために、脚全体を十分に覆うことのできるズボンと滑り止めのきいている靴を着用する必要があります。 また、調理中に髪の毛が食べ物に落ちないように、帽子をかぶることも要求されます。 エプロンとプロ仕様ののシェフジャケットについては、コース参加時に支給されます。
コースの履修期間中に働くことはできますか?
こちらは可能になります。ただし、レストランなどの厨房で働くのに学位や資格は特別必要ありませんが、クッカリーコースの卒業資格を持っている場合は、より良い条件での就労やより高い地位に就ける可能性があります。 通常学生ビザでは2 週間あたり 40 時間の労働が認められていますが、この規則は現在 2023 年 6 月まで一時的に緩和措置が設けられており、学生ビザでもFulltimeで働くことが可能になります。
*こちらはあくまで一時的な措置になります。
関連する学位やオーストラリアでの履修経歴がなくてもシェフとして働けますか?
レストランやホテルで調理を行うシェフになるのに資格は原則必要ありません。 ただし、オーストラリアに移住するための手段としてシェフを目指される場合は、商業料理コース(Commercial Cookery)を受講し、シェフ向けに設計されたSkill Assessmentを完了する必要があります。
オーストラリアでシェフとして働く場合、平均就労時間はどれくらいでしょうか?
シェフとしての労働時間は、シェフとその雇用主の間での合意によって異なります。 ただし、シェフは多くの場合、1 日 10 ~ 12 時間、週 5 日での就労が多くなります。 また、レストランが最も忙しい時期には通常時以上に働くことも求められます。つまり、シェフは夜、週末、さらには休暇中など様々な状況下において就労形態が変わる可能性があるということになります。
オーストラリアのシェフの中にもレベルなどはありますか?
オーストラリアでシェフとして働かれる場合、雇用先の規模にもよりますが多数のレベルに振り分けられます。一番高い地位としてはExecutive Chefとなり、通常はJunior Chefからのスタートとなります。そのほかの主なシェフとしてのレベルは以下の通りです:
Executive Chef
Head Chef
Sous Chef
Second Chef
Demi Chef
Commis Chef
Junior Chef
シェフとして働く際の主な仕事内容について
オーストラリアでシェフとして働く際の職務内容は働いているレストランの規模やシェフレベルによっても変動しますが、一般的には以下の様になります:
・提供するメニューの計画、関連するコスト (人件費と食費)の管理
・食材やキッチン用品の状況確認・注文
・食材の準備、調理、提供、保存
・栄養士、マネージャー、その他スタッフと食品関連の問題について話し合い、改善策の作成
・調理準備から調理、すべての段階における食品の品質管理
・スタッフのスケジュールをマネジメントし、スタッフがどのように仕事を遂行するかを監督する
・新人スタッフへのトレーニング。こちらは、さまざまな調理技術のデモンストレーションや調理手順のアドバイスなどが含まれます。
シェフとしての将来的なビザのオプション
[スキルVisa]
Skilled Independent Visaサブクラス 189:こちらのビザは取得後オーストラリアに永住して働くことができます。EOIスコア最低 65 を取得とSkill Assessmentを完了しており、ビザの招待状を取得後、申請時に 45 歳未満である必要があります。
Skilled Nominated Visaサブクラス 190 :こちらのビザは 上記の189 ビザに似ていますが、このビザを申請するには上記の条件に加え、オーストラリアの州/準州から指名(ノミネーション)を受ける必要があります。
Skilled Work Regional Visa – サブクラス 491 :こちらは、オーストラリアの地方地域にてシェフとして就労・移住を考えられている方にに適用されます。このビザでは、オーストラリアに 5 年間滞在することが可能になり、ビザの有効期間中は何度でもオーストラリアの出入りが認められています。こちらのビザが付与されてから 3 年後に新たに PR を申請することができます。
[雇用主スポンサービザ]
Temporary Skill Shortage Visa サブクラス 482 :こちらのビザでは、オーストラリアに 2 ~ 4 年間滞在することができますが、承認された雇用主からのスポンサーと指定の職種での就労・申請が必要となります。こちらのビザ一定数就労した後に永住ビザへ進むことが可能となります。
Employer nomination Scheme サブクラス 186 :こちらは永住ビザになります。このビザを申請するには、承認されたオーストラリアの雇用主のスポンサーが必要となります。
Skilled Employer Sponsored Regional Visa サブクラス 494 :こちらのビザは、オーストラリアの特定の地方でエリアで発行されるスポンサービザとなります。このビザの申請資格を得るには、承認されたスポンサーによってノミネートされ、Skill Assessmentパスした後に少なくとも IELTS6.0相当の英語力を取得する必要があります。
クッカリーコース履修後、卒業ビザを申請するには何が必要でしょうか?
485 ビザ(卒業ビザ)を申請するためには、特定の英語力と関連する資格・学位が必要となります。 英語力の証明としては、 IELTS 6.0 (5.0 未満のバンド スコアなし) または PTE 50 (36 未満のバンド スコアなし)相当 を取得する必要があります。 また、オーストラリアで少なくとも 2 年間の学習を終了する必要があります。 通常専門学コースでの卒業ビザ申請の場合はProvisional Skill Assessmentの結果が必要ですが、現在オーストラリア政府からの通知があるまで卒業ビザの申請には不要となりました(2022年12月時点)。
シェフとして永住権を申請する場合ポイントはどれほど必要ですか?
Commercial Cookeryコースとホスピタリティ マネジメントのDiplomaを含むコース パッケージを修了し、こちらのコースに関連する職種での経験がある場合は、PR 申請の条件を満たす可能性が高くなります (ビザ 189、190、491、および 186)。 スキルビザ (189、190、および 491)申請の場合、取得する必要がある最小ポイントは 65 ポイントになりますが、。こちらは申請するビザや地域・職種などによっても変わってくるところです。詳しくはお問い合わせ下さい。
クッカリーコース終了後、オーストラリアの永住権を目指す場合は何をする必要がありますか?
Commercial CookeryとHospital Managementコースののパッケージ (最低 2 年間の学習) を修了すると、Graduate Stream で卒業ビザ (サブクラス 485) を申請することができます。 こちらの卒業ビザを取得した後、申請するビザの種類に応じて必要な準備は変わりますが、一般的にはスキルビザの申請準備としてシェフとしてのSkill Assessmentを完了することや、スポンサービザなどの申請条件満たすために卒業ビザでの2 年間で 就労歴を重ねることが最重要となります。ただし、こちらは申請を考えているビザによって大きく変わることがあるので、こちらに関して何かご不明点などございましたら是非お問い合わせ下さい。